旅の空色


上高地 ルミエスタホテル


 長野県の上高地にある高級ホテル。
また上高地内でも数少ない温泉を持つ宿でもある。
(温泉があるのはルミエスタと隣の上高地温泉ホテルのみ)
大正池の北、田代橋の左岸を少し登ったところにある。
上高地帝国ホテル付近でバスかタクシーを降りて徒歩約15分。

※上高地における交通機関についての注意。
 上高地はマイカー規制があって、タクシーか路線バスか、観光バスしか
 入れないのはよく知られていると思うが、それらの交通手段も
 上高地バスターミナルまでの1本道しか通行できず、
 その1本道のルート上でしか人を乗り降りさせられない。
 これは1本道上の「大正池ホテル」か「上高地帝国ホテル」の二軒しか
 ホテル前で乗り降りができないことを意味する。
 身障者などには、もしかしたら宿が何らかの対応をしてくれるかもしれないが、
 健常者においては、基本的に天気の悪い日でも、宿から最寄りのバス停まで、
 主にはバスターミナルまで歩かなければならないので、
 その心づもりで宿を選ばなければならない。
 ルミエスタ宿泊の時は天候に恵まれてその心配はなかったが、
 ただ大きなボストンバックを抱えてホテルまで歩かなければならないのは
 少々骨が折れた。
 二日目の「上高地帝国ホテル」では、チェックアウト時に大雨で、
 ホテル玄関までタクシーを呼べることはとても助かった。
 (大雨の上高地を早めに脱出しようと考えたのは結果的に正解で、
 我々の利用後はタクシーが混んでいたようだ)

宿ホームページ→(外部リンク)http://www.lemeiesta.com/

[筆者評]
 夏の2泊3日の家族旅行で1泊目で利用。
当ホテルでは最高級プラン「プレミアムステイ」を試す。
1泊2食大人ひとり5万9千円。
(外税表示の宿泊料金になっているので注意を要する)

客室はこのホテルでは最上級の「プレミアムシアタールーム」の
最上階4階を利用。
このタイプの部屋は横長の宿の北側一番奥に、2F、3F、4Fと3部屋あるようだ。
”シアタールーム”の名の通り、この部屋の売りは窓から見える絵のような景色で、
横長に作られた部屋の、横長一杯に切り取られた大きな窓からは、
まるでスクリーンで見るような感じで、
上高地のシンボルと言うべき梓川(あずさがわ)と、
その背後に霞沢岳や六百山の峰峰を眺望することができる。
窓際の端から端まで幅広の超長ソファーが1本配されていて、
寝ながらも窓の景色を楽しめる造りとなっている。
(基本ツインベットの2人部屋であるが、3人利用も可能で、
3人目は補助ベットを置くか、窓際の超長ソファーの一部を
ベットにしつらえる対応となる。
我が家は息子の希望でソファー利用とした)
また窓の厚手のブラインドは電動で上げ下げできる贅沢なものだ。

リビングとベットルームを兼ねるこの16畳ほどの部屋の他に、
洗面所とトイレとお風呂が一体となったユニットスペースと
あと2畳ほどのトランクルームの3スペースからなる。
意外にこぢんまりとした部屋の大きさで、HPでも45uと、
当ホテルでは最大の大きさを誇るが、
値段の割には小振りに感じることだろう。

このホテルがいい値段を取る理由は、推測であるが、
上高地ではめずらしく温泉浴場を備えること、
また各部屋のバスも温泉が出ること、
そして本格的フランス料理を売りにしているからと思われる。
とりわけ各部屋への温泉供給はコストが掛かるものだろう。

最上級の「プレミアムシアタールーム」は、部屋の満足度を上がるために、
最新のマッサージチェアーが据えられている。
(全身裏に加えて、足のふくらはぎから足裏までもみほぐせるもの)
加えて、最上級の「プレミアムステイ」プランでは、
信州産のスパークリング・ワイン1本と
夕食での”特選”料理、
部屋でのコーヒーマシンによるコーヒー飲み放題、
貸し切り風呂1回無料(45分)、
翌日12時までのレイト・。チェックアウトの特典がある。
(スパークリング・ワインは少し甘めの飲み易いもの、
”特選”料理は伊勢エビの半身オーブン焼きが付く内容、
コーヒーマシンはカートリッジ式の2種類の味が楽しめるサービス
となっている)

夕食は本格的フレンチのフルコース。
オードブル、スープ、魚料理(特選は伊勢エビ)、
口直し、メイン、デザートといった感じの6回ほどの給仕。
朝食はバイキングで、種類も多く、卵料理を注文できる形になっている。

大浴場は5〜6人ほど入れる内風呂に、
岩を配した10人ほど入れる露天風呂がある。
露天風呂には河童の像があって、
”河童の湯”の由来となっている。
(露天風呂は行き来こそできないが、湯船は男女奥で繋がっている)

ホテルの他の設備は、ロビーラウンジに
喫茶コーナーと天気のいい日には気持ち良いこだわりのテラス席がある。
ロビーラウンジでは、コーヒーやお茶のサービスがあり(時間制)、
喫茶コーナーでは、ホテル手作りのケーキが食べられる(有料)。
(手造りケーキは朝食時から厨房の一角で一生懸命作っていて、
嫁はバイキングの一部かと思い、求めると、売り物だと判明した)

(良い印象)
◇洗練されたデザインのホテルで、高級リゾートに相応しい。
◇夕食も朝食も満足のゆく質と量の内容だ。
 (フレンチのフルコースなど普段は食べ慣れないが、
  緊張感があって逆に刺激的だ)
◇大浴場も小振りで、湯質も単純泉だが、
  やはり旅情に花を添え、旅の疲れを癒やすのは何と言っても温泉だろう。
◇部屋のサービスが今までに無いほど行き届いていて
 (もっともそれもお代の内ではあるが)、ゆっくり滞在を楽しめた。 
(悪い印象)
◆やはり部屋が値段の割には手狭に感じる。
  生意気にも息子にまで「もうひと部屋ほしいなあ」と言われた。
◆ユニットタイプの洗面所&トイレ&浴場もやや狭く感じた。
  但し、トイレも洗面台も設備としては行き届いている。

部屋の大きさで当初はそれほどとは感じなかったのだろう‥、
宿代を聞いた途端に、嫁と息子がそんなにするならばと、
部屋付きの設備をもったいないとばかりに使い出した。
最近はコーヒーに凝っているので、アメリカンとエスプレッソが
入れ立て飲み放題のサービスは良かった。
と言っても、それほど飲めるものでもないが‥。

早めにチェックインして、スパークリングワインを楽しんで、
その後は持ち込んだクレパスとスケッチブックで
息子と窓の外の景色の絵を描いた。
この部屋ならではの特典(景色)を最大限利用するために
用意しておいた小道具だった。
貸し切り風呂のサービスは、予め予約しておいて、嫁に使わせた。
夕食後は、酒を呑む以外に施設がないので、外に出て星を眺めた。
休暇をゆっくりと楽しむにはいいホテルだ。

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「プレミアムシアタールーム」のリビング&ベットルームの全景。
未成年者の息子はもちろんスパークリングワインは飲んでない。


洗面所&トイレ&バスのユニット。やや狭く感じる。
お湯は天然温泉。トイレはふたの開閉が自動の最新式。
洗面所も使い勝手がいいと設備面は良い。



部屋付きのサービス設備各種。
マッサージチェアーは足もみ部が収納される最新式。扇風機は羽根のないダイソン製品。
(上高地の宿泊施設では冷房設備=クーラーはなく、すべて扇風機で対応している)
コーヒーメーカーも見たことのない一杯ずつのカートリッジ式のマシン。
あとCDプレイヤーやニコン製の本格的双眼鏡も置いてある。


部屋からの眺めその1

部屋からの眺めその2
これらの景色をクレパスで抽象画風に描いた。


ルミエスタホテル前にて記念撮影。