旅の空色
ヒルトン小田原リゾート&スパ
グローバルホテルグループ「ヒルトン」の大型リゾートホテル。
元は雇用保険法に基づく勤労者福祉施設、いわゆる公共の宿であったが、
結局採算上の問題と民業圧迫の非難を受けて、事業権をヒルトンに売却。
改装後、今に至る。
建物と不動産の所有権は小田原市が持ち、レンタルしているそうだ。
宿ホームページ→(外部リンク)http://www.hiltonodawara.jp/?_ga=1.203406481.1836687899.1373093572
[筆者評]
元は公費を投入したおかげで
ため息が出るほどしっかりした立派な造りをしている。
(雇用保険の内、事業者負担分だけを投入したと語っているが、
金に色はなく、財布は同じではないだろうか)
小山の山頂の広大な土地に
全天候型および野外テニスコート、
全天候型室内プールに展望屋外プール、
ゴルフ打ちっ放し練習場にパターゴルフ場、
体育館にジム施設、
芝生大広場に庭園にウォーキング散策路、
地下にはボーリング場に、ゲームコーナー、
カラオケボックス、ダーツ場、ビリヤード場、
その他にも施設内には結婚式場にガラス張りの教会、
図書室にメディア娯楽室と
様々な施設が用意されていて飽きることはない。
まさに全天候型総合リゾートホテルである。
部屋は様々なタイプが用意されているが、
最大のもので68u。
グローバルホテルなら100uを越える
ロイヤルスイートクラスの部屋もがあってもいいと思うが、
これはもともと勤労者を対象とした公共の宿であったこと、
建物は小田原市の所有であること、
コンクリートの間仕切りのため
改装に大工事が必要なことなどが原因かもしれない。
外国の金持ちにはちょっと手狭に見えるのではないだろうか。
ちなみに我が家では大部屋を大勢で安く利用、
みんなで枕を並べて寝るというのが
家族旅行テーマなのだが、
このホテルの場合は仕方なく和洋室Bを2部屋借りた。
ああ、そうそう。
大きな部屋と言えば戸建て棟のコテージがある。
こちらならメゾネットタイプで100u近い広さだ。
ただそこを選ばなかった理由は、
ホテルの本館から少し離れていて
ホテル施設の利用に不便だったからである。
また丘陵地でもあり、コテージから本館へは上り坂で、
我が母が車椅子のこともあり、労力とリスクを勘定した結果だった。
ちなみに宿代は夏の準シーズンで一人2万5千円。
但し、小学生以上は子供も大人料金なので
ちと出費がかさむ。
食事は基本、朝晩ともにメインダイニングでのバイキング形式。
ライブキッチン=目の前での調理を基本に、
質の高いものを数多く揃えていて満足度も高い。
パンだけでも10種類ほどあり、
天麩羅は揚げたて、肉は焼きたて、
寿司もその場で握っているといった感じ。
朝食の卵料理のオーダーメイドも良かった。
バイキングの他にも、和洋コース料理も注文でき、
別棟に焼き肉ラウンジもあり、連泊しても食事に飽きない。
プールサイドにもレストランがある。
大浴場はシンプルなデザインで
大きめの浴槽の内風呂と露天岩風呂がある。
大浴場まで気兼ねなく浴衣で行けるのが
欧米式ホテルであってホテルらしからぬ
ヒルトン小田原ならではの特徴かもしれない。
プールは競技用の長方形プールに
歩行用変形プール、
ジャクジー、寝湯コーナーなどがある。
ただ基本、健康増進を目的とした大人用(勤労者用)の造りなので、
子供が騒いで遊ぶスペースは少ない。そこがちょっと残念。
とりわけ長方形プールはあくまで競技用なので、
浮き輪などで子供が自由に遊ぶことはできない。
そもそも脱衣所から他には見られない
独特の造りで、このホテルならではの
プールの雰囲気があることを知らしめられる。
(まあ前身の公共の宿の遺産であろうが)
ちょっとうがった見方をしてしまったが、
脳梗塞により半身不随の母には
手すりや滑らないタイルの備え付けもあり、
プールで歩行練習をするなど、
他では味わえない体験ができて
感謝感謝でもあった。
早朝、芝生大広場でラジオ体操があったり、
夏場は昆虫採集の体験があったり、
まわりの自然を活かしたプログラムも用意されている。
散策路はホテルの敷地を巡る20分ほどのものだが、
道はよく整備されていて、各所に東屋や
緊急連絡用の電話があり、
このホテルの行き届いた設備をさりげなく象徴している。
あと山頂であるために陽当たりがいい、
というか良過ぎるきらいがある。
夏場は特にすごい日差しである。
全天候型リゾートと紹介したが、
テニスをしたい場合
天気が悪そうだと思ったら、
室内テニス場は2面しかないので
早めに押さえた方が良い。
(良い印象)
◇リゾート施設が他では見られないほど充実している。
◇施設の歴史的経緯から宿泊料金はこれでも安めと思う。
◇交通の便が良い(小田原から南に10km足らず)。
◇建物は頑丈で、一流ホテルならではの清潔感がある。
(悪い印象)
◆子供料金がない。
◆子供にはプールの使い勝手が良くない。
◆大きな間取りの部屋がない。
(下2つはちょっとわがままな意見かも)
我が家では同じ宿を2回利用するのは希だが、
(”もう一度行きたい宿”の表現は最上級の賛辞となる)
このホテルを2度使ったのは、1度目は諸事情により
従兄弟のたっくんが行けなかったからである。
翌年みんなが揃ったのでもう一度訪れたのだった。
しかしさすがに2年連続で訪れると
少々食傷気味となり、3年目はなかった。
まあいずれ”もう一度行きたい宿”(=最高評価)と言えるだろう。
息子はプールを中心に、体育館での卓球、
パターゴルフ、広場でのとんぼ採り、敷地内冒険、
夜はカラオケにビリヤードと一日中忙しく楽しく過ごした。
ただ息子は食べ物に関して好き嫌いやアレルギーがあり、
ご馳走が並ぶバイキング料理を目の前にしながら
結局パンしか手を付けず、
大人と同じ宿泊料金はその点でも高く感じた。
ひとつ戻る
(とても良かったホテルでのエピソードをひとつ紹介)
2度目の訪問時、2泊目は焼き肉ラウンジで夕食を食べたのだが、
そこの年配で恰幅の良いホテルマンの接客は見事であった。
生ビール飲み放題のサービスを食事と一緒に頼んだのだが、
ジョッキのビールが少なくなると
「お代わりをお持ち致しましょうか?」
とすぐ気が付いて、少々残っていても
新しい冷たいビールと取り替えてくれるのだ。
おまけに「どんどん召し上がってください」と
笑顔で勧めてくれた。
こちらから催促することはほとんどなかった。
とても気持ちよく飲めて、ビールも旨かった。
(森喜朗前総理大臣に似た人だったような記憶がある)
芝生大広場でのトンボ採り。息子・錬とじいちゃん。2010年8月。
すぐ後ろの円形建物がプール棟。その後ろがホテル本館。
2011年8月。息子・錬と従兄弟のたっくん。
宿から7kmほど離れた真鶴町の岩海水浴場にて。
後ろの橋は有料道路・真鶴ブルーライン。
我が母は体が不自由だが、若い頃より海が大好きなので、
みんなで海水浴で遊んだ。