旅の空色


望雲 ぼううん


 群馬草津温泉市街、湯畑(ゆばたけ)から100mほど
離れたところのある旅館。文人ゆかりの宿ということで、
ノスタルジックな雰囲気を求めて投宿。

宿ホームページ→(外部リンク)http://www.hotelboun.com/

[筆者評]
 最初にひとつ断らなければならないが、
以下の評価は私たち夫婦が泊まった時点のものである。
その後この旅館は大改装を経て生まれ変わっている。
建物だけでなく、宿のおもてなし、心配りも
一新していることを望む。

 当時この宿で一番いい部屋、
和室2間続きを利用。
大人一泊二食付き2万5千円。

部屋は利用した2間続きの特別室以外は
みな1間の部屋ばかりであった。
まあ前近代から続いている老舗旅館の
そのままの形を受け継いできたというところか。
ノスタルジックな哀愁を求めてきたこともあり、
そこら辺は想定内としても、
旅装を解いた早々部屋が汚れているのが目に付いた。
お茶の葉が少し散乱していたのだ。
普通来客前に丁寧に掃除するはずであるが、
しかもこの旅館で一等いい部屋でもあるし、
こんなことは私には初めてであった。
(平成26年現在まで)
畳もずいぶんと傷んでいて、さらに私の心も痛んだ。
加えて部屋の冷蔵庫も冷えが悪かった。
さすがにそれは指摘し、冷えたビールを頼んだが、
調理場から持ってきたビールも満足のゆく
冷えではなかった。

夕食もいい金額を払った割にはたいしたものではなかった。
ありきたりのお膳料理に加え、
温かいものはナッツをまぶしたエビフライの揚げたてを
持ってきた一度切りの給仕で、正直呆れた。

旅を愛する私としては、
宿に対して常に敬意を払っているつもりだ。
しかし今回は値段とサービスの内容が
あまりにもアンバランスで面を食らった。

布団敷きの係も別の人が2回顔を覗かせて
連携の悪さも不快だった。
なんか働いている人も若い人が目立った。
総じてこの旅館は建物同様にサービスもおもてなしの心も、
朽ちてきていたということになる。

よかったのは大浴場のみ。
支柱が大屋根を支える木造の大浴場で、
古き良き時代の温泉の香りを今に伝えていた。
この浴場も今は真新しい柱と板で生まれ変わり、
雰囲気も一新されているようだ。

大改装を機に、正に元から生まれ変わることを祈る。

(良い印象)
◇草津では立地の良さと歴史だけか。
(悪い印象)
◆施設もサービスも心も朽ちていた。

重ねて言うが、上記は旅館の大改装前の感想である。
よき旅館に生まれ変わっていることを願う。

今回は不運にもたまたま不手際が重なっただけなのかもしれない。

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