旅の空色


九殿浜温泉 ひみのはま


 前回の宿から1ヶ月と、こう度々と旅行をしていると
まるで旅バカのように思われるかもしれないが、正にその通りである。

今回は私の友人が旧友を訪ねてゆく旅行について行った形で、
(というか、ひとりじゃ道中さみしいので一緒に行ってほしいと言われた)
私自身も北陸の旅行は初めてと興味津々の旅であったのだが、
北陸での行程は地元のその旧友まかせということで、
この「九殿浜温泉 ひみのはま」もその旧友が用意してくれたものだった。
ただ、さすが地元の人が選んだ宿で、手頃な値段ながらも
内容がなかなかよかったので、ここに紹介するものとする。

一般客室、8畳和室+広縁、トイレと洗面台付き
寒ブリ尽くしの宴コース 大人ひとり13000円くらい。

宿ホームページ→(外部リンク)http://www.himinohana.jp/

[筆者評]
 もともとは公共の宿だったところ、それが廃業という時に、
従業員たちが出資して事業を買い取り、今に至ると旧友のひとから聞いた。
そんな経緯なので、建物は立派な鉄筋コンクリート造りで、
今もほころびは見られず、なかなかの見栄えと言える。
また公共の宿始まりということで、贅沢な部屋はないようだが、
一応スイートルームとして和洋室1室はあるようだ。

全体的に休暇村シリーズに似た印象だろうか?
部屋は画一的で、基本部屋風呂はなく、
温泉浴場は中規模で、内風呂と露天風呂、それに壺風呂がある。
施設はカラオケルームとちょっとした売店くらい。
食事は給仕の効率の良い食事処となっている。

この宿の特質すべき点は、すべての部屋から晴れていれば見える
立山連峰の絶景であろう。あのポスターなどでよく目にする絶景が
富山湾越しに自分の目に心に焼き付けることができる。

また廃業を買い取りと初期投資が少ない分、
そしてもともと公共の宿としてサービスが合理的に設計させている分、
料理に還元されているように私には感じた。
それだけ寒ブリ尽くしの宴コースは大満足だったわけだ。
寒ブリの刺身はもちろん、厚切り寒ブリのしゃぶしゃぶの
得も言われぬ食感と味わい、そして豚の角煮のような新しい
ブリ大根との出会い。地酒の冷酒も数種用意されていて、
大いに食い、大いに呑むことができ、大満足の宴であった。

加えて朝食の充実ぶりにも感心した。
HPにお品書きがあるが、この宿代で手抜かりのない内容に
とても好感が持てた。手の込んだものはないが、
上手に工夫している様子が覗えた。
さらにコーヒーメーカーのコーヒーが旨いのも珍しくうれしかった。
(いいコーヒー豆を使っているのか、コーヒーカップは
小さいのが使われていた)

今度は家族で来たい。そんなことを思わせる宿であった。

(良い印象)
◇シンプルなサービスながらも、安っぽくない。でも手頃な値段の宿。
◇温泉も長く浸かっていられる適温で、効能も感じる。
◇夕食・朝食共に満足できる質と量だ。
◇天気さえ良ければ絶景の宿だ。
(悪い印象)
◆特に不満はなし。
 値段から言ったら納得の範囲、というか大満足のサービスだろう。

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部屋からの景色。
本来は海(富山湾)の向こうに立山連峰の峰峰が見える絶景なのだが、
冬の富山はほとんど晴れ間はないとの旧友の話であった。
残念!