旅の空色
佳遊亭 かゆうてい 現・海遊亭
静岡県の伊豆半島、河津町の河津浜にある旅館。
旅館の副タイトルに「浜辺の小さな旅亭」とあるように
3階建て、客室12室の小さな宿である。
宿ホームページ→(外部リンク)現「海遊亭」http://www.kaiyuutei.com/
[筆者評]
まず最初に注意したいが、
私たちが泊まった後に宿の名前が変わったように、
現在のホームページで確認する限りでは、
宿のサービス内容はだいぶ変わったように見える。
施設の構造は変わりないようだが、
以下紹介する私が受けた極上のサービスは
過去のものとなっていると思われる。
海に向って3階左端の露天風呂付き2間、
8畳+6畳に2畳ほどのテラス風広縁の付いた部屋を
夫婦二人で利用。大人一泊二食付き3万5千円。
この旅館でよかったというか、
感激感動したのは料理の豪華さであった。
大きな舟盛りの新鮮な刺身に、
大きな伊勢エビの活け造り、
大きなアワビの躍り食いと
新鮮な海の幸が懐石風の手の込んだ料理と
相まってこれでもかというくらいに出てきた。
そしていい加減腹の膨らんだ私たち夫婦の目の前に
ご飯出し前の最後の料理として
大きな金目鯛を丸ごと油で揚げた姿揚げに
具材たっぷりのあんをかけた大皿が
仲居に運ばれてぬっと出てきた。
さすがこの展開には後ずさんだ。
これ食べれるか?と夫婦で顔を見合わせた。
だが出されたものはすべて平らげるのが
我が家の家訓である。
嫁と目と目で覚悟を決めて、その大皿に挑んだ。
意外や意外、食べてみるとサクサクして、
大きな骨部意外は軽く食べられた。
最後にこのフィナーレを持ってきたもてなしと
食べやすさまで考えた心づくしに
舌鼓を打ちつつ、舌を巻く限りであった。
そして〆のご飯と一緒に出た香の物も
種類と量、彩りにぬかりはなかった。
部屋は12室しかないが、
この宿の特徴は各部屋が違った造りでできていること。
再度訪れても、違う雰囲気で部屋を楽しめるようになっていた。
私たちが利用した部屋は、当時は2部屋しかない
露天風呂付きの一番いい部屋であった。
私が感心したのは、内風呂から露天風呂に出入りする
大きなガラス張りの引き違い戸で、
内風呂にいても開放感があって、
外風呂、内風呂、共に出たり入ったりと
風呂好きの私は湯を満喫できた。
(ただし温泉ではない。
こういう時は自宅と違って湯を溢れさせても怒られないので、
好き放題、流し放題じゃぶじゃぶやるのが快感だ。
もちろんそれも高い料金の内でもある)
施設はそんな小さな宿なので、
ロビーラウンジと宴会場があるくらいで、ないに等しい。
ただ目の前にある河津浜海水浴場が
最大で最高の施設と言えるかもしれない。
海水浴の時期は最高のロケーションである。
大浴場は内風呂+露天岩風呂付きのちょっと大きめの浴場と
内風呂+露天風呂の小振りの浴場の2施設で
朝晩で男女入れ替え制となっていた。
こちらはさらっとした肌触りの河津温泉である。
この宿も数少ない『もう一度訪れたい宿』のひとつとなったが、
残念ながら今は昔となってしまったようだ。
(良い印象)
◇料理の質、量、サービスに圧倒された。
◇海に面して、波音がやさしく、静かな時を過ごせる宿だ。
◇一般の部屋もいいムードに演出されている。
カップル向けのお籠もり系かなあ。
(悪い印象)
◆施設はない。(が、私は料理とムードで十分満足できた)
◆注意!上記の感想は過去のものとなっている。
息子とは、大人向きの宿であるし、施設もないので向かないかなあ。
だいたいうちの息子&嫁は海はきらいって言うし‥
(おれは大好きなんだけどなあ)
海水浴の好きな子供にはいいかもしれない。
最新の宿のホームページを見ると
私たちが訪れた当時よりは宿賃がだいぶ安くなっているので、
施設はともかく、料理はそれなりと思った方が妥当だろう。
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この時の一泊二日の旅行は電車とバスを使った。
修善寺まで特急「踊り子」で行き、
修善寺から河津までの下田街道を路線バスで移動した。
修善寺を散策後、湯ヶ島温泉に出会い橋を訪ね、
浄蓮の滝、イノシシ牧場(この施設はもうないようだ)、
そして天城峠の旧天城トンネルを徒歩で越えた。
天城峠は日帰り観光の客でいっぱいで、
観光バスがひっきりなしにお客をピストン輸送をしていて驚いた。
ここまで来て日帰りで帰られちゃ
途中の温泉地がすたれるわけだと
今の旅事情を知り、そして納得した。
修善寺〜天城峠の間は頻繁に路線バスが通るが、
天城峠から河津へのバスは最終が夕方4時半と早くて少々焦った。
翌日は宿をゆっくりと出て、河津駅より電車に乗り、
伊豆城ヶ崎海岸と伊東駅前を散策し、帰路に着いた。