旅の空色
東山温泉 庄助の宿 瀧の湯 しょうすけのやど たきのゆ
福島県会津若松市の名湯・東山温泉にある旅館。
高級路線からリーズナブルなものまで様々なプランを揃えている。
「庄助(しょうすけ)」のテーマがポイントか。
宿ホームページ→(外部リンク)http://shousuke.com/
[筆者評]
私はこの論評を書く時には
必ず宿の直近のHPを確認している。
それによるとどうやらこの旅館は
私たち家族が宿泊した後に
宿のコンセプトの修正や
部屋や設備の改装を経て、
大きく生まれ変わった感がある。
だから以下の論評は
私たちが泊まった時点のものであり、
現在の宿とは異なることを前書きしておく。
春の旅行で家族3人で宿泊。
本館の特別室を利用。大人一人一泊2万5千円。
本館の最上階にはデザイナーズルームなる
今風の斬新なデザインで統一された部屋があり、
部屋の大きさもほどよく、触手が動いたが、
我が家は基本畳の上で寝るのを好むことと、
子供には似合わず、その点使い勝手がいまいちであることを理由に、
和室3間と半露天風呂の付いた特別室を選んだ。
(デザイナーズルームは基本ベット使用で、
畳の部屋もあるが、3人で寝るには手狭に見えた。
まあ、基本カップル用なのだろう。
最上階に繋がっているエレベータには
隠しボタンがあって、利用者のみ行けるようにしていた)
利用した特別室は12畳に6畳と4畳半といった間取りで、
テレビが12畳と6畳にそれぞれあったので、
まんべんなく部屋を使えた。
だが間取りは大きいように見えて
ちょっと手狭に感じた。
また内装も老朽化が見えて
くたびれてきていたようだった。
(ただこの特別室はもうないようだ。
また水雪が降る寒い時期であったので
部屋付きの半露天風呂は使わなかった)
泊まった当時、この宿の売りは2つ、
ひとつは「小原庄助(おはらしょうすけ)さんの宿」ということ。
もうひとつは「大浴場および貸し切り風呂から望む湯川の絶景」
であった。
小原庄助さんとは、会津の民謡「会津磐梯山(あいずばんだいさん)」に
出てくる、朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、
それで身代(しんだい)を潰した、
つまり破産したという酒好きの放蕩(ほうとう)者のことである。
ともかく酒が強かったという云われにあやかって
この宿ではウエルカムドリンクの抹茶に加えて、
日本酒の生酒やにごり酒が飲み放題で
ラウンジに用意されていた。
(氷の入ったクーラーに5種類ほどの酒の小瓶が入っていて
どうぞご自由にお飲みくださいっといった感じ)
また大浴場の前では、夕方に生ビールのサービスが、
そして朝風呂の時には日本酒の一升瓶が入り口に置いてある
といった感じで、正に小原庄助さんを地で行く
振る舞い酒のオンパレードといった具合であった。
(但し、食事の時は振る舞い酒はなく、別注となる。
飲み放題付きのプランもあろうが基本有料)
まあ出される酒は私から見れば
ありふれた酒で、物珍しいものではないが、
それでも酒好きの私には、
とりわけ日本酒好きの私には
このサービスがぴったりとはまり、
チェックイン時からちびちびとやっていた。
嫁と息子の冷ややかな視線を受けつつ‥。
(現在このサービスはウエルカムドリンクではあるが、
この時のように積極的にはしていないようだ。
昨今は酔狂な客も少ないのだろう)
この宿のもうひとつの特徴というか、
財産といえるものに大浴場がある。
宿は東山温泉街を貫く急流、湯川に
ぴったりと寄り添う形で建っていて、
大浴場からもその勇ましい流れが展望できるのに加え、
川の段差のひとつ、伏見の滝もあって
絵のような川の光景を見ながら
温泉を楽しむことができるのである。
これは地の利といえるだろう。
夕食は特別室ということもあって
十分な品数であったが、
基本お膳出しで、懐石風の一品ずつ出すような
丁寧なものではなく、そこは少し残念だった。
また国産の牛タンがあるとのことで
別注で頼んだが、オーストラリア産と大差は感じられなかった。
(牛タンといえば、いろいろなお店で食べたが、
やはり仙台の「利久(りきゅう)」が一番だろうか。
厚さといい、柔らかさといい、ほどよく美味い。
ただすぐ近くのイオンレイクタウンにも店舗が入ったので、
有り難みが薄れて、最近は食べていない。
牛タン屋の牛タンはほとんどがオーストラリア産であり、
国産のものは稀少なので今回ぜひにと食した次第だった)
朝食はバイキング形式で、座敷大広間で食した。
品数も揃っていて、いい印象であった。
餅つき体験もあり、自分で搗いたつきたての餅に
特に子供たちには受けていたように見受けられた)
(良い印象)
◇庄助の企画は酒のみには嬉しかった。
◇大浴場から見る湯川の景色が良かった。
◇鶴ケ城まで約2kmと東山温泉は交通の便が良い。
(悪い印象)
◆建物の老朽化が垣間見えた。
(だから後日大改装したのだろう)
◆もともと古い団体客時代の箱(建物)なので
今でもリーズナブルな一般客室は狭いと思う。
(8〜10畳間の客室。垣間見えたところ
廊下からすぐに布団が見えて、ちょっとみっともない)
◆カラオケやバー、夜食処などの施設がない。
息子の受けは‥、子供の喜ぶような施設がないので
まあ普通の感じでしょうか。
私個人としては宿がリニューアルしたので、また行ってみたい気もする。
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会津若松市では定番の鶴ケ城と白虎隊の墓を観光後、
慶山焼きという窯元で手びねりの陶芸体験をした。
そのことについては平成22年4月のコラムに記載している。
(平成22年4月のコラムは後日記載予定)